文字サイズ

  • 標準

【POPULAR SONGBOOK】宮本益光さん ロングインタビュー

8月27日(土)POPULAR SONGBOOK 公演を前に、指揮者として出演する宮本益光さんに、インタビュー取材を敢行!

バリトン歌手としてオペラ・コンサートの第一線で活躍を続けるかたわら、作詞、訳詞、作曲、著作、脚本、演出、合唱指揮など、縦横無尽の活動を続ける宮本益光さん。東京混声合唱団との出会い、合唱への想い、さらには今回の企画のことから、青春時代に夢中になったポピュラーソングまで。宮本さんの多才な活動のバックグラウンドが垣間見える、とても興味深いインタビューとなりました。

 

「これはヤバい世界があるぞ!」
東混の歌声を聴いて、とてつもない衝撃を受けました。

― 宮本益光さんと東京混声合唱団(以下 東混)とのストーリーを教えてください。

 偶然なのですが、私の通っていた中学校の校歌が、混声四部合唱でした。中学生ですから、変声後まだ間もない、もしくは変声しきれていない生徒が多いにもかかわらず、いわゆるガチな混声四部の校歌だったので、なかなか声が出ず形にならないのです。

 ただ幸いにして照れがない学校で、卒業式や少年式(※愛媛県では、元服の名残の14歳を「少年式」として、各校に市長や来賓を招き盛大に祝われる)で校歌を歌うと、生徒がえらい声を出すものだから、来賓の教育委員会の方々がみんなびっくりする、というのが伝統的にありまして。それが先生方の自慢でもあり、自分たちも褒められるからそういうものだと思って。私も音楽の「お」の字も分からなかったけれど、張り切って歌っていました。

 そんな学校にある日、東混がやってきました。おそらく全国の学校を周る、文化庁の巡回事業だったと思います。体育館で私たちの校歌を歌ってくださったのですが、その歌声に度肝を抜かれました。それまで自分たちの歌には自信があったのですが、プロの合唱を聴いて、とてつもない衝撃を受けました。

 その頃、私は吹奏楽部でトロンボーンを吹いていましたが、吹奏楽部と合唱部って、音楽室の取り合いとか、先生の取り合いとか、部員の取り合いとか、ちょっとしたことで喧嘩するんですよ。だから合唱が大嫌いだったんですよね(笑)。校歌を歌うのは好きだったけど、部活としては目の敵だったので、合唱をあえて敬遠していたところがありました。ところが歌声を聴いて「これはヤバい世界があるぞ!」と。これが東混との最初の出会いです。

 私が中学生の頃はまだLPレコードが多くて。たくさん聴きたい音楽があるのに、愛媛なのでなかなか手に入らない。ネットもまだない。だから東混のレコードは「見つけたら買う」という勢いで、実はこっそり集めていました。地元のレコード屋さんに、数枚ですけど東混のレコードを見つけたので、すぐに買って、針を落として楽しみに聴き、また別のタイトルが入荷したら買い、ということをしていました。

 

東混の初仕事が嬉しくて、愛媛の実家に電話しました。

 高校1年のときに、学校の教員になる手段として声楽を始めました。私の声楽の師匠(※佐藤陽三氏:合唱指導者。愛媛大学教授、全日本合唱連盟理事長を歴任)が合唱界の方々とたくさんの出会いをくださり、息子のように可愛がってくださいました。高校では私も合唱部に入って指揮を始めたので、師匠に合唱指導の話もたくさん伺い、ますます合唱に対する熱が高まっていきました。そして芸大入学後の5月頃、はじめての仕事を東混からいただいたのです!

 声楽科の芸大生には「オペラの合唱しませんか」「モーツァルトのレクイエムの助っ人で出演しませんか」といったエキストラの仕事が舞い込んでくるのですが、私にとってはじめての仕事は、なんと東混でした!黛敏郎さん作曲の「涅槃(ねはん)交響曲」を、作曲者本人の指揮で。仙台の女子高に芸大生何人かで歌いに伺ったことを、今でもよく覚えています。

 「音楽やっていて本当によかったなあ」って思った瞬間でしたね、運命だったなあと。それで緑色の公衆電話から、愛媛の実家に電話をかけて「東混の仕事やるんや!」って興奮して伝えた記憶があります。それに対して親は「まあ、お前が楽しそうならいいわ」くらいの反応でしたが(笑)。

 そして当時は、まさかその20年後に、黛敏郎さん作曲のオペラ《金閣寺》に主役で出演するとは思ってもいませんでした。

 

東混の魅力は、歌の世界にあるたくさんの領域同士の架け橋になれること。

― 宮本さんが感じる、東混のオンリーワンの魅力とは?

 東混の魅力は数多くあれど、ひとつは歌の世界にあるたくさんの領域同士の架け橋のような存在になれるということ。東混はその先駆けでもあり、またそれを可能にするのが東混の「発信力」「技術力」、そこからくる「説得力」だと思います。

 日本は世界に誇る合唱人口を誇り、そのレベルも世界指折りです。アマチュアの合唱コンクールを審査すると、点数をつけるのが本当に難しい。レベル的にとても拮抗しているし、ルネサンスから現代までの時代を扱う楽曲の幅広さもすごい。にもかかわらず、その合唱に取り組んでいる人たちが声楽のコンサートに来るのか、オペラを観に行くのか、というと来てくれないんですよ。あれだけ合唱人口がいるんだから、声楽界全体がもっと盛り上がってもいいはず。でも現状はそうじゃない。

 それはなぜかというと、接点はありそうに見えてもマーケットの輪っかが重なっていないのです。私はこの状況を若干嘆いています。自分自身はオペラもやるし、声楽家として合唱団にも関わっているので、お客様がどちらにも行き来できるように、との思いで活動していますが、マーケットにおいてはなかなか達成しきれない、というジレンマがあります。

 そういった意味では東混の、特に昨今の活動はとても特徴的です。今回のPOPULAR SONGBOOKにしても、日本を代表するピアニストの鈴木慎崇さんが、合唱作品としてのポップス楽曲を彼の指で体現する。そして一人ひとりトレーニングを積んだ声楽家であるプロのチームが、合唱として再現していく。これらは、私たちの本業であるクラシック分野と、広く一般の方が歌として知っている領域という、一見異なるマーケットが重なる部分の面積を増やし、そこを塗りつぶしていく活動なのだと思います。

 さらに申し上げるならば、合唱の可能性というのはとても奥深いもので、演歌でも、ジャズでも、浪花節でも、どんな音楽でも合唱にできないものはもはや無い、なんでも合唱でできる、と言えます。どういう意味かというと、仮に声楽(ソロ)と比較した場合、私が演歌なり桑田佳祐を歌うことはできるけれど、「どうなの?」という感覚があるはず。

 それに対し合唱となると、あたかもその楽曲が、元から合唱のために存在していたかのように成立させる力があります。しかもそれは、合唱を使って遊んでみたという表面的なレベルではなく、どんな音楽でも合唱曲として存在させてしまう懐の広さと強さなのです。そんなジャンルは他にあるでしょうか。

 こういったことは、昨日今日で急にできるようになったことではありません。そして声を大にして申し上げたいのは、いま申し上げたようなことを確立し、世界を拡げてくださった先達は、まさしく東混なのです。

 

今回の出演依頼で、「ああ、これでずっと生きていける」って。

― そんな東混から今回の出演オファーがあったとき、最初にどう思われましたか?

 もう、「キター!!!」と思って(笑)。正直に申しますと、中身はともかく「指揮させていただけるんだ!」ということがまず嬉しかった。たしか1年半くらい前のオファーでしたが、「ああ、これでずっと生きていける」って思いました。何があっても絶対やろうと思って、楽しみでしょうがなくて…本当に嬉しかったですね!

 実は少し前に、フォーレのレクイエムを東混とご一緒させていただき、ソロが合唱の中に入って一緒に歌うことがありました。久しぶりに緻密なアンサンブルに参加させていただいたとき、オペラの重唱とは狙う場所が全然違ったけれど、それが本当に気持ちよく、とても楽しかったのです。…というステップがあっての、今回です。メンバーの方の知った顔も増えて、嬉しさ倍増ですね。実は団員の方の中には、「楽しみしてますよ!」なんてSNSでメッセージくださる方もいて、心強いですよね。

 ただ、とても嬉しい反面「私でいいんでしょうか?」という気持ちもまだ強いです。だって、オペラ、コンサート、シンフォニーと、あらゆる第一線の現場で、世界中の指揮者とご一緒されている東混の皆さんだから、指揮者という存在の凄みをご存じでいらっしゃるはず。指揮者によってチームがいかようにでも変容することは、私自身も演奏者側としても経験してきているので、「自分でいいのか?」という恐怖はあります。ただ今回は、恐怖よりも楽しみのほうがちょっと上回ってしまったので(笑)。

(東混事務局長 秋島さんより)
 宮本さんが楽しみにしていただいているのと同じくらい、東混のメンバーも楽しみにしているということを、お伝えさせていただきます!

 

― 今回、宮本さんが合唱指揮者として取り組むにあたり、どんなお気持ちで臨まれますか?

 私としては、プロフェッショナルな東混の皆さまの胸を借りるつもりでおります。今回のような楽曲だと、おそらく指揮がなくても「ハイ!」っていったら勝手に演奏が進むでしょう。というわけで今回、はっきり言って私がいなくても大丈夫なんです(笑)。でもそのなかで、ほんの一瞬でも「そうか、そうするならこうやってやるか」と思っていただけるようなエッセンスを、私がいかに注ぐことができるか。そして「一緒に楽しもうぜ!」と思っていただけるか。まずはそこに尽きると思います。

 つまり私の指揮者としての責任は、百戦錬磨の方々を前に最大限のリスペクトのもと、皆さまが少しでも気持ちよくあるように存在するということ。そしてその気持ちがお客様の楽しみへと還元されるような流れをつくること、これしかありません。

(東混事務局長 秋島さんより)
 宮本さんとの共演で非常に楽しみなのは、作詞や訳詞をする詩人としても、またオペラなどの演出の分野でも、大変な才能を発揮されているという点です。非常に才能の豊かな宮本益光という方が、東混という歴史のある団体の前に立ち、一緒に音楽をすることで、何か新しいものが生まれるのではないかという楽しみがあります。
 そこにもう一つ、欠かすことができないピースとなるのは、お客様の存在ですよね。必ずしもクラシックの、あるいは合唱のお客様だけではない、というところが今回のコンサートの重要なポイントだと思います。曲目から興味を持って来てくださる、新しいお客様がいらっしゃったとしたらとても嬉しいことですし、その3者の力が合わさったところが、今回の魅力ではないでしょうか。

 

プロフェッショナルな音楽家が、大人の本気で遊び倒す様をお楽しみください。

― 宮本さんが思う、今回のPOPULAR SONGBOOK公演の聴きどころを教えてください。

 今回のプログラム、まあまあ衝撃じゃないですか(笑)。だって「このメンバーでこの曲歌うんかい!」「え、勝手にシンドバッドやるの!?」ってね。「知っている曲ばっかりだから、楽しそうなのでチケット買いました」って人が私の周りにもいっぱいいるし、それはそれでとても嬉しいです。

 そこに加えて、今回の企画の本質は「プロフェッショナルな音楽家が大人の本気で遊び倒す」ことにあります。知っている曲ばかりなのは東混のメンバーの皆さまも同じでしょうが、それを「純正律の3度は平均律より12分の1音程度低く」などと技術的な裏側を感じさせるでもなく、高度な技を平然とやってのける。そのようなことは、東混からすると、常にやっていることに過ぎないのです。ピアニストの鈴木慎崇さんにしても、鍵盤を一音ポンと弾くことが、まるでピカソの描く1本の線のように、どれだけ果てしない時間を費やしてきたか、ということです。

 プロフェッショナルとして自らを、そして音楽を磨き続けている人たちが、これらの楽曲を題材に、単なる余興ではなく、本気で遊び倒すということ。これこそが真のエンターテインメントであると感じています。

 

― 選曲については、いかがですか?

 誕生年で考えると、今回は私と同級生のような70年代の楽曲が多いんですよ。1972年(宮本さんの生年)も、《瀬戸の花嫁》がありますね。この曲は私の故郷、松山駅の発車メロディですからね、学生の頃にトロンボーンでも吹いたことあります。それで、普段は「音楽なんかやるな、女がやるもんだ」なんて言ってたうちの親父が、《瀬戸の花嫁》を吹いたら喜んで、お酒を飲みながら「おぉ、ぇえのぅ、そんなのやれるんか!」って。思い出の1曲でもあります。

 一方で少し新しい曲、例えば《夜空ノムコウ》ですね。時代的に現在に近づくほど、遊びや意外性の要素だと思っています。新しい時代の曲は、まだそれほどいろんな人に歌われて変容しておらず、逆に言えば、オリジナルを歌っている人の姿やその個人のパーソナリティがより強くイメージされますよね。だからこそ、合唱でやったらどうなるの、という見せ所の一つだと思うのです。《瑠璃色の地球》や《夜空ノムコウ》がどう聴こえていくか、私自身も本当に楽しみです。

 それから銀河鉄道999ですが、この曲集(合唱組曲《銀河鉄道999》)は、中学校の時に先生に教えてもらったのです。音源も持っていて、いつかやってみたいと思っていましたが、技術的に力のない合唱団にはできない編曲なので、今まで1~2回しか演奏したことがありませんでした。今回のお話をいただいたとき、再現のタイミング的にも、プログラム構成的にも、ちょうどいいと考えプログラムに入れました。希望に満ちて終わるという意味でも、いまの世相に訴えかける楽曲だと思います。

 

― 宮本さんといえば、日本語の言葉の在り方を意識された活動をされていらっしゃいます。日本語歌唱の素晴らしさが印象的な東混とともに、日本語詞のポピュラーソングに取り組む今回、意識されることはありますか?

 馴染みのあるメロディを、お客様それぞれがご自身の記憶や思い出を追いかけながら聴いてくださったとき、一瞬でもいいから「はっ」とする和声の美しさだとか、言葉の堆積だとか、磨かれた発音だとか…、あるいはある瞬間、言葉のエッセンスが屹立する、胸に刺さるようなことがあって、ドキッとするとか、何かそういったところが生まれてくるといいなと思います。

 お稽古の中で一緒に作っていきたいところではありますけれど、何かを狙って作るというよりも、表現の中から生まれてくる化学反応のようなものを大切に、私たちだから求めることができる感覚を生み出していきたいです。例えばそんな瞬間が《夜空ノムコウ》みたいな曲で出てきたりすると、とてもいいなあと思いますね。

 

どこか「クラシックでなきゃいけない」みたいな気持ちがあったのかな。

― ところで、宮本さんにとってのいわゆるポピュラーソング、クラシック以外の音楽はどんなものを聴いていらっしゃいましたか?

 まずTM NETWORK(※1984年デビュー、宇都宮隆、小室哲哉、木根尚登によるユニット/以下 TM)ですね。中学生の時に友達に教えてもらって、ちょうどYMOなどのシンセサイザーのサウンドに興味を持ち始めました。ギター、ヴォーカル、ベース、ドラムの4人のバンドが当たり前だった時代、冨田勲さんのドビュッシーだったり、TMやB’zにはまっていた時期があったりして…いままで人前でこんな話しをしたことがなくて、なんだか恥ずかしくなってきたな(笑)。

 最近、還暦を超えたTMが復活するというので、久しぶりにチケットを取りましたが、愛媛時代にもライブに行きました。その頃はアルバム《CAROL》でしたね、実は今でも全部覚えていますし歌えます。修学旅行で東京に来たときにも、原宿のタレントショップにTMグッズを買いに行ったりとか。で、その真似事で作曲して、ピアノなんか習ったことないのにシンセサイザーをお小遣いで買って、そしたら作曲コンクールで全国2位になって…って一人でやってたんですよ(笑)。小室哲哉さんにはだいぶ影響されて、リズムは「ンタッタ、ンタタタ、ンタッタ、ンタタタ」って。そして今でも、夜寝る前の筋トレのお供は《Self Control》です(爆笑)。

 TM以外には玉置浩二さん、それにASKAさんですね。この二人は歌のうまさが別格だと思います。今でもリサイタルのアンコールで、玉置浩二さんの《あなたに》っていう曲を歌う時があるんです。ASKAさんの《はじまりはいつも雨》もいいですね。あと小室さんの流れで渡辺美里さんとか…話していて本当に恥ずかしくなってきた(笑)。

 私の原体験がTMだなんて、初めて今回話したかもしれません。どこか「クラシックでなきゃいけない」みたいな気持ちがこれまであったのかな。大きな声では言えませんが、高校時代には、「カロ・ミオ・ベン」の何が楽しいんだ、って思っていた時期もあったような(笑)。ところがある時、その志向がガラッと変わるのですが。

 

― もしもPOPULAR SONGBOOKにTMを1曲入れるとしたら?

 《Get Wild》がいいなあ。この東混のメンバーで「ゲゲゲゲゲゲゲゲワーイルド!」ってやってほしい。そのアレンジ(編曲)も私にやらせてほしいなあ。そして東混の方が「宮本益光はもう二度と呼ぶな(怒)」ってなるみたいな、それは大変だ(笑)。「パパパの二重唱(※モーツァルト《魔笛》に登場する有名な二重唱)」ならぬ、「ゲゲゲの四重唱」ですね(爆笑)。

 

― クラシック音楽にあまり親しみがないお客様には「クラシックの音楽家は、自分たちとは別世界の人で近寄りがたいんじゃないか」というイメージがあるかもしれませんが、今回のお話はとても貴重ですね。

 声楽の世界の人は、意外とそうでもないと思います。「3歳からヴァイオリンを始めました」といった器楽に比べ、身体の成長の関係で、始めた時期も遅いので。私の声楽の仲間で、いま第一線でオペラなどに出演している歌手でも、一緒にカラオケに行くとすごいことになるヤツ何人もいますから(笑)。なので、今回のPOPULAR SONGBOOKのような企画に対しても、もちろん抵抗はないどころか、歌う側もとても楽しみにしていると思います。

(東混事務局長 秋島さんより)
 東混のメンバーももちろん、いろいろな歌好きがいますよ。なかでもアニソンは特徴的ですね。スタジオの仕事でアニソンの収録がありますと、真っ先に声をかけるメンバーがいます。そしてアニソン以外にも、あらゆるジャンルのスタジオ仕事がありますから、各メンバー全く抵抗はない、と言えます。

 

 

このコンサートが「劇場に足を運ぶ」きっかけになってほしい。

― 最後に、お客様にお伝えしたいことがあれば、お願いします。

 この数年で、映画館に行かなくても映画は家で自由に観られるようになりました。世界中のオペラも、私もいまはこのスマホで観ています。欲しい情報が手近なところに転がっているようになった現在、では劇場が持つ意味は何なのか、ということをもう一度提起したいのです。このデジタル時代にあって、観客とともに作り上げる舞台の在り方は、究極のアナログで勝負する面白さとして、劇場空間でしか成し得ない醍醐味であり、決して失われるものではありません。

 お客様一人ひとりにとって、「劇場に足を運ぶ」ことの楽しみのきっかけに、このコンサートがなってくださるといいなと思います。お客様だけではなく、出演者もまた、劇場で心を洗濯したり、心を遊ばせたりします。そんな意味では、チケットを手にした瞬間から、お客様としての心の遊びは始まっていますよね。たくさんの方に、このコンサートを楽しんでいただけることを願っています。

 

【CONCERT INFORMATION】

POPULAR SONGBOOK(ポピュラー・ソングブック)
国民的ヒットソングで綴る、真夏のコーラス・エンターテインメント

2022年8月27日(土)15:00開演 杉並公会堂 大ホール
(JR中央線・東京メトロ丸の内線 荻窪駅 北口より徒歩7分)

[出演]宮本益光(指揮)/鈴木慎崇(ピアノ)/東京混声合唱団

[曲目]あずさ2号/秋桜/夜空ノムコウ/上を向いて歩こう/瀬戸の花嫁/やさしさに包まれたなら/木綿のハンカチーフ/なごり雪/勝手にシンドバッド/瑠璃色の地球/飾りじゃないのよ涙は ほか

<チケット好評発売中> チケットぴあ

 

 

宮本 益光(みやもと ますみつ)
Masumitsu Miyamoto

東京藝術大学卒業、同大学院博士課程修了。学術(音楽)博士号取得。2003年A.プレヴィン『欲望という名の電車』スタンリーで一躍注目を集め、以降二期会『ドン・ジョヴァンニ』タイトルロール、『金閣寺』溝口、新国立劇場『鹿鳴館』清原栄之輔、日生劇場『メデア』イヤソン等話題の公演に数多く出演。作詞、訳詞、執筆、演出等でも多彩に活躍。MOZART SINGERS JAPAN主宰。桐朋学園大学准教授、聖徳大学客員准教授、東京藝術大学講師。二期会会員

http://www.masumitsu-official.com/

PHOTO ©武藤章・鈴木健太